閉塞性動脈硬化症 閉塞性動脈硬化症とは 動脈硬化の進行により、特に足の動脈では血流が悪くなったり(狭窄)、血流が途絶えたり(閉塞)します。 そうすると足が冷たくなったり(冷感)、しびれたり、歩行時に下腿のふくらはぎの筋肉が痛くなったりする症状がでてきます。このような病気を閉塞性動脈硬化症(ASO)といいます。 ■症状(Fontain分類) ■合併症 動脈硬化は全身の血管で起こる可能性があります。 狭窄や閉塞の部位によっては狭心症や心筋梗塞、脳血管障害といった合併症を引き起こす可能性があります。 ■検査 1) 四肢動脈拍動の触知 四肢の動脈を触診することで90%程度の診断がつきます。 2) 上下肢血圧測定 ABI(Ankle Brachial Pressure Index)=上腕動脈最高血圧/下肢最高血圧 正常ABIは1.0以上で0.9以下は閉塞性動脈硬化症の疑いがあります。 3) 超音波ドップラー検査 4) CT検査 当院では64列 Multiple Ditector CT(MDCT)とよばれるCTが設置されており、画像を3次元構築することによりより詳細な血管の情報が得られます。 5) 動脈造影検査 カテーテルを用い、下肢動脈を造影し血管の狭窄部位や閉塞部位を同定します。 ■閉塞性動脈硬化症の治療法 保存的治療・・おもにFontain分類のI度、II度の患者様に適応されます。 1) 薬物療法 動脈硬化の進行を抑制したり、病変部の血流を増やすお薬を内服したり、点滴したりします。 2) 理学療法 運動療法を行うことにより血流をよくします。 II度の重症例、III度、IV度の場合は次ぎのような治療が行われます。 ■非観血的血行再建術 1) 経皮的血管形成術(percutaneous transliminal angioplasty:PTA)風船のついたカテーテルを用い、狭窄部位や閉塞部位を拡張します。 2) メタリックステント風船でふくらませた後に金属性の管を血管の中で拡張し、留置します。 ■手術 血行再建術 a) 血栓内膜除去術 閉塞部位の血管が太く、範囲が短い場合は血管を切開し、切開部の動脈硬化病変や血栓を取り除きます。 b) バイパス手術 血管が完全閉塞していてカテーテルが通らない場合に適応となります。自分の足の静脈(大伏在静脈)または人工血管でバイパスを行い、閉塞部末梢の血流をよくします。 足の静脈を使用するときは、内視鏡で静脈を採取するのでキズは大きくなりません。 c) 切断術 壊死に陥った部分は切断しなければなりません。